[コメント] アバター(2009/米)
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こんな映像見れただけでも私には4点以下なんてとても付けられません。
ナヴィ族の外見は青いが、髪型やアクセサリーはアメリカ先住民のようで、アメリカ人自らの歴史ルーツを背景に入れているのは確かで、見る者に(特にアメリカ人に)反戦、反植民地を訴えかけている。でも私にはこれが「アビス」のように少々説教臭いとは感じなかったのだ。監督の作家としてのメッセージが非常に入った作品に思えて仕方なかった。やはり渾身の一作である。
なかでも私が一番気になったのは聖なる木がなぎ倒されるシーン。
ナヴィ族にとって聖なる象徴である大木。それがアメリカ軍によって攻撃される。空に灰が舞い、必死に逃げるナヴィ族。
アメリカ人にとって経済反映の象徴であった世界貿易センタービル。それがアメリカに憎しみを持つ集団によって攻撃される。空に灰が舞い・・・・。
私にはどうしてもこのシーンがあの同時多発テロにシンクロして仕方なかった。ここで監督が提示しているのは「襲ってくるのは実は私達」。これはアメリカ人に対するアメリカ(住)人(実際カナダ人ですけど・・)としての監督自らのメッセージが込められていると勝手に思い込んでしまった。もちろんアメリカ人ではない私にも確実に思いが届いていることを考えると、監督の思惑は正解であると思う。
昨今、ベテラン監督の何人が自ら脚本を書くだろうか。スピルバーグは?スコセッシは?コッポラは?デ・パルマは? 自分の思いを脚本にし、それを自らの思う世界に映像化する。 ジェームス・キャメロンはその映像作家の一人だと強く思う。
ウッディ・アレン、ポール・トーマス・アンダーソン、クリストファー・ノーラン、ナンシー・マイヤーズ、 ハリウッドで数少ない映像作家の一人だと思う。
最後に、IMAX 3Dで見ることを強くお勧めします。
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