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[コメント] シャッターアイランド(2010/米)

はっきり言って大した映画じゃない! だが、それはそれで別に良いのだろう。ディカプリオスコセッシも、その腕はしっかりと見せてくれる。それなりに楽しめる、及第点のヒッチコック風サスペンスだ。(2010.04.11.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「謎解き」を全面に出した日本でのプロモーションの影響下でこの映画を観た場合、「なんだよ、そのオチかよ!」と満足度が下がってしまう可能性が高い。そう、この『シャッター・アイランド』は大した映画ではないのだ。映画史に残るような衝撃のラストが待っているわけでもないし、優れたトリックで観客を欺くような巧さがあるわけでもない。娯楽サスペンスとして普通に楽しむべき映画なのだ。

緻密にプロットが練られた映画ではないため、映画も中盤にさしかかってからは、息もつかせぬ展開に終始するため、現実的ではない設定が次々と場面に現れる。その状態から種明かしに行き着くと、やはりそこに来たかと、捻りのなさにちょっとした失望感を覚えてしまう。

ただ、別に謎解きにどうこうでハードルを上げなければ、十分に良く出来た楽しめる映画にはなっていたと思う。ある程度の出来に映画を高めているのは、レオナルド・ディカプリオの演技と、マーティン・スコセッシの演出力に他ならない。おそらく、他の主演&監督だった場合、この映画は観るに値するほどのものにならないだろうが、彼らが組んだということにより、それはパワーアップするのだ。

ディカプリオはいつもどおり迫力のある演技をする。その中で、内面の苦しみもしっかり表現する。円熟味が出てきて、どんどんいい役者になっていっているように思えます。そして、スコセッシの演出はシーン作りのうまさが感じられる。ヒッチコックを意識して撮った部分も大きいのだろう、クラシックサスペンスの雰囲気を出しながら、絵的に緊迫感のあるシーンを生み出していた。

ディカプリオ&スコセッシのコンビは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アビエイター』『ディパーテッド』と成功作を残してきたが、この『シャッター・アイランド』は前3作と比べると明らかに一番下に来る映画に思える。が、もともとそこまで高みを狙っている作品でもないのであろう。古典的な娯楽サスペンスとして2時間観客の注意を引くだけの作品には少なくとも仕上がっている。

もともと60〜70点くらいを狙って、しっかりそこに辿り着いた感じか。

(評価:★3)

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