[コメント] 箱入り息子の恋(2013/日)
何と嫌味のないアップショット。大写しにされた二人の表情に素直に感動させられるのは、市井昌秀演出と相馬大輔の画作りが共振する成果。昨今では手垢にまみれ鬱陶しいだけの死語となった「純愛」が、文字通り本来の純粋さを取り戻し颯爽と再生される。
容姿や学歴といった世俗的な価値や、難病や障害といったハンディに、一切左右されていないという点で、健太郎(星野源)と奈穂子(夏帆)の「恋」は混じり気なしの純愛物語として抽出されている。でも、よく考えてみると「恋」とは元々そういうものなのだ。ラブコメにしろ悲恋ものにしろ、あまたの映画で描かれる「恋」が商業的都合で、いかに不純に捻じ曲げらているかということに気づかされた。
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