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[コメント] シン・ゴジラ(2016/日)

「邦画的な安いメロドラマではない!」というような評価がされていたが、いや、でも実はものすごく「日本人的な、邦画的なしみったれ精神」に溢れた映画だったわけで、それがとても悔しい。
アブサン

政治の話を細かくどうのこうのとやっているけど、菊のタブーには一切触れないとか、被爆国日本に核を落とさせてたまるかと石原さとみが活躍するけど、そもそもゴジラそのものが核のメタファーじゃなかったのかとか、なんか物凄く「日本人的なしみったれた感覚」に頼った映画で、中盤までがよかっただけに終盤は白けた気持ちになる。 (あととにかく石原さとみの造形もなあ…)

例えば20年前には『インデペンデンス・デイ』をアメリカ万歳映画だーとか言ってみんな馬鹿にしてたけど、海外から見たら『シン・ゴジラ』終盤って、ああいう「これだから日本人は…」感満載の映画なんじゃないのかと思う。

いくつかのアイデアでこの映画も参考にした部分はありそうだが、『インデペンデンス・デイ』は娯楽映画としてちゃんとホワイトハウスをぶっ壊してたし、核を落としたけど倒せませんでしたって所までやってたし、実は『シン・ゴジラ』よりもだいぶ上等な作品じゃないかと思う。

日本人は今まで能天気なアメリカ映画の核描写に笑ったり憤ったりしてきたが、アレルギー的に核の直接描写を避けて、核を落とす展開から逃げおおせました!って茶番が、果たしてそんなに大事だったのだろうか。

ていうか、もう既に「核=ゴジラ」が上陸してるのに今更そこでナイーブになってみせるのって、それ逆に一番ダメなことしちゃってませんか、なんでゴジラ映画を撮ったんですか、と思ってしまう。

(評価:★3)

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