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[コメント] 妻(1953/日)

「妻」。女流作家(林芙美子)が夫(森雅之)の視点から描き出す妻(高峰三枝子)の肖像が、再度男性監督(成瀬巳喜男)の視点から構成されることの妙。取り交わされる視線はどれも(女に対しても、男に対しても!)残酷なまでに批評的で、同時に自嘲的である。これぞニヒリズムの極北。ヤルセナキオの真骨頂だ。
町田

終盤、ミルクホールで高峰三枝子丹阿弥谷津子が対面するシーンが怖い。電車が軋ませる窓ガラスの音は、稲妻の百本分より怖ろしく、そして映画的だった。

(評価:★5)

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