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[コメント] けんかえれじい(1966/日)

とっても女々しい映画
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女々(めめ)しいって女性蔑視の言葉でまずいかなあ。

そういや女性に対しては言わないね。言われる対象は必ず男。

「元来男は女々しい者なのだ」というのを何かで読んだか聞いた覚えがある。 だから「メソメソするな男だろ!」といったような言葉が日本古来の格言としてあったりする(格言じゃないけど)。

これはそういう映画だ。

ああそうさ!青春の熱き血潮の原因は常に“女”なんだよっ!

原始女は太陽であり月であり宇宙であり、よって男の血潮は波打つのさっ。(オオッ!なんだか凄くいい事を言っているような気がしてきたが、ただのシモネタだな)

で、最後急激に別の映画みたいになってしまいますが(笑)、

「オオッ!俺が今までやってたのよりデカイ喧嘩がおっぱじまりそうだぜ!」ってんで東京へ向かった・・・というのが普通の解釈なんだろうけど、私はそれにもう一味加えたい。

女が修道院に入るって言うから男の私も修道院(軍隊)に入ります。そう、全ての行動の源は“女”なのだ。

様式美ウンヌンもさることながら、「女に振り回される男」(それもフランス映画のような実体としての女というより、幻影・亡霊としての女といった方が正しいかもしれない)という構図において実に“清順節”だ。

余談

北一輝のクダリ、押井守は影響受けたんかな?と思って調べてみたら、「パトレイバー・2課の一番長い日」でこの映画の演出を参考にしたと語っていた。

余談2

実はこの映画やっと観たんだけど、「あんたさぁ、今までこれ観てなくて(フゥーとタバコの煙を吐く)清順語ってたわけぇ?」と清順好きランキング1位のbunqさんに叱られそう。(なんだか勝手に桃井かおりのイメージになってる。スクリーンで観たから許して)

(評価:★5)

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