[コメント] ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(2018/米)
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スピルバーグは(トランプ就任を見て)ツイートのように撮ったと語っている。本邦50〜60年代の政治映画が想起されるのであり(しかもあんなに貧乏ではない)、この軽やかなスタンスこそが羨ましい。見解が一方的なのは当たり前、個別法など下らねえ修正一条が味方だ、監獄だって行ってやる、俺がやらずに誰がやる。リアルだから成立するコテコテドラマ。
本作で最も胸を打つのは電話取った記者が伝える最高裁の判決文であり、映画が伝えたかったのはこれに尽きるのだろう。フランク・キャプラの諸作が想起されるが、走り書きにつき作劇にそれほどの深みはない。メリル・ストリープのジレンマも軽量級だ。しかし、思うのだが、彼女に過度に悩まれても困る。管理職の立場を見据えつつ、やってやりましょうよに向けて徐々に自分の思いを盛り上げているのだ。素敵な女性だと思った。
アメリカでは新聞社が株式公開するのだ、というのが入口から驚きだった。日本ではもちろんされない。理由は本作のような事態を避けるためだ。この仕組み、当然にアメリカから学んだものだろうと思い込んでいたのだった。この件は軽々に感想が書き難い。
劇の進行に関係なくレモネート売りに勤しむ娘さんがケッサクで、このタッチこそがキャプラっぽい。ワシントン・ポストにコピー持ち込むヒッピー娘は、法廷でメリル・ストリープを案内する政府のバイト娘と同一人物だっただろうか。私事ですが、ストリープは年取って従妹のおばちゃんにいよいよ似てきた。
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