[コメント] フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017/米)
作品でことさら社会批判するのではなく、現実を現実として映し取るショーン・ベイカーの目は、キャストそれぞれの隠された一面を捉える。そのやり場のない悲しみを、パステルカラーの背景に添えて。
格差社会の中の貧困にもさらに格差があり、それでも体を張って生きるには、悪ぶったり自尊心をギリギリ保つしかない。しかも子どもたちに至っては、ここでもまた大人の都合で教育という機会を取り上げられている。夢の国を出ていく時に、嫌でも我に返らざるを得ない現実。子どもは無邪気だなんてとんでもない、ここの子どもたちはすべてわかっていて大人を試していたのだろう。ボビーウィレム・デフォーの存在に少しは救われるとしても、彼にさえどうすることもできない現実はある。ボビーでさえ、うまく立ち回れないものを抱えているのだから。
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