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[コメント] 白い肌の異常な夜(1971/米)

イーストウッドの「自虐趣味」や女にだらしない「無節操な下半身」の特質はこの映画や『恐怖のメロディ』あたりで決定的になっている。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 屋根がいい。屋根の上の視点があることで随分と空間に拡がりが出る。例えば負傷したイーストウッドが最初に学園に運び込まれるシーンで、学園の屋根を見張り番の少女が走るロングのカットがあり(このカット自体にも驚かされるのだが)、次に屋根の上に置いたカメラで切り返して学園の敷地全体を見せるあたりはもう唸っしまう。空間描写と同時に、戦時下の緊張感を一瞬にして見せきってしまうドン・シーゲルの見事な演出。このような練りに練られた演出はラストに至る迄無数にある。

 また、短いオフのモノローグや、フラッシュ・バックの使い方も傑出している。フラッシュ・バックや回想シーンというのは安易に使うと映画のテンションを途切れさせる意外と難しい技法だと思うのだが、この映画のフラッシュ・バックはお手本でしょう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)jollyjoker 緑雨[*] ナム太郎[*] シーチキン[*] ドド

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