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[コメント] 火口のふたり(2019/日)
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★3「ふたり」である。“ふたりだけ”の映画なのにそこに逼塞を覚えないのは、演者の明朗もあろうが、むしろ「行間を読ませる」よりは行そのものを直截に読ませるような奇妙なダイアログの即物性にあるのではないか。下世話なまで社会的、時代的に阿る台詞も“ふたりだけ”の間に浮き彫りになることで「イメージ」としての即物性を帯びる。「火口」の小噺の一躍の飛躍も共に「イメージ」としての通底性あらばこそ。〔3.5〕 ()[投票(2)]
★4柄本佑は飄々とした振舞いの内に暴力や自壊の危うさを漂わせて適材。堂々とした瀧内公美も佳い。堂々とは、脱衣を含む演じぶりが、という以前に骨格が、である。やはり(役柄に依存し、撮り方にも大きく左右されるのは当然にせよ)画面に君臨すべき主演女優にはある程度以上のサイズが伴っていてほしい。 [review] (3819695)[投票(4)]
★5不義に対し自制する2人の細やかな心理駆け引きと抑圧されたオーガズムへの衝動が堰を切って炸裂する納得のダイナミズム。過去の挿話の断片が現在を侵食するロマンティシズムも泣けるのだが情緒は抑制。衒いなく正確なSEX表現が粉飾の時代に屹立している。 (けにろん)[投票(2)]
★4この映画、切り返しが少ない。実は、前半は切り返しをあまり意識せずに見ていたので、はっきりしないのだが、柄本佑瀧内公美の二人しか出ない映画であるにも関わらず、少なくも、ラーメン屋のシーンあたりから、会話シーン等で切り返さない。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
★5ああ、いいセックスをしているなあ。そんな無我の快感が二人から伝わってくる。人が理性のしがらみを圧殺し、倫理を捨て去っても許される唯一の時間がちゃんと写っている。R18ではもったいない。ロマンポルノの呪縛から解放された、とても真摯で正直な肉欲映画。 [review] (ぽんしゅう)[投票(4)]