[コメント] インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画の冒頭にディズニーのマークが出た瞬間、思わず「えーーーーー!」と叫んでしまった。
そうだった。ルーカスフィルムはディズニーに買収されていたのだ。
どうしても「スター・ウォーズ」の悪夢を思い出してしまう。僕は熱狂的なスター・ウォーズファンではないが、1977年のエピソード4から映画館で見ているのです。「フォース」が「理力(りりき)」と訳されていたころだ。「帝国の逆襲」「ジェダイの復讐」「ファントム・メナス」「クローンの攻撃」「シスの復讐」と大スクリーンで楽しんできた。ところが「フォースの覚醒」から変調を来たし始める。「最後のジェダイ」では転覆・脱線、全くの別の映画になってしまった。エピソード7からジョージ・ルーカスが権利をディズニーに売ってしまったからだ。まさに「仏作って魂入れず」です。
なので、冒頭にディズニーのマークを見たとき、とても悪い予感がした。
そして、不幸にもその予感は的中してしまった。
ディズニーはまた人気シリーズを壊してしまった。
「インディ・ジョーンズシリーズ」の魅力は、ずばり、「冒険とロマン」だ。ところが「運命のダイヤル」には冒険もロマンもない。ただただ、無意味な殺人と無意味なアクション(追っかけ)が延々と続くだけ。CIA の女性もアントニオ・バンデラスもすぐに殺される。第4作で頑張った息子を戦死させていたのもひどい(「エイリアン2」→「エイリアン3」を思い出した)。
ハリソン・フォード80歳ということで、やたらしょぼくれたセリフや疲れたシーンが多かったのも残念。
インディ・ジョーンズは根っからの冒険家だ。80歳だろうが120歳だろうが、這ってでも地球の果てまで冒険し、恋にロマンに生きる姿が見たかった。それが冒険家魂というものだ。え?現実ではあり得ない?何を言ってる。これは映画だ。映画は夢であり、時に人生の理想なのだ。 それに、我が日本を見よ。平均寿命44歳と言われた江戸時代に、55歳から67歳まで日本中を旅し、地図測量をした伊能忠敬という人物がいる。これって現代の年令に直すと、102歳から124歳ということになる。ハリソン・フォード80歳なんか、伊能忠敬から見れば若い、若い。ひよっこだ。
さらに、ヒロイン・ヘレナに魅力がない。性格や行動がよくわからない。相棒もよくわからない、など細かい不満を言い出したらキリがないくらいダメダメ映画だ。唯一、一貫していたのはユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)だけだったという皮肉。
ラストのタイムトラベルシーンは好きです。ちょっとワクワクしました。
この「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」、公開直後に見に行ったが、映画館ガラガラだった。ああ。いつの時代も、出来の悪い映画はガラガラなのだ。ディズニーは、ホント、人気シリーズを壊すのがお好きである。
追伸 この映画で、さらに不運だったのは、上映前の予告に「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」が流れたことだ。トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」シリーズは直近2作の出来が特に素晴らしく、否が応でも期待させられる。意味あるアクションの連続に興奮させられることだろう。こちらは満員の映画館で見ることになるのは間違いない。
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