[コメント] 幕末太陽傳(1957/日)
フランキー堺が輝いている。ひょいっと羽織を羽織る所作といい、軽妙な掛け合いで、世の中をすいすい泳いでいく身の軽さと、その裏側にある病への言いようのない不安。それらを一身に背負い表わして、何とも憎めない。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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当時の遊郭をかなりリアルに再現していて、何ともまあ、賑やかにエネルギッシュで、フランキー堺の芸だけでも一見の価値がある映画だった。
これだけやられると、「なんだこいつは。ヘラヘラしやがって。調子に乗りすぎだぞ」となりそうなものだが、そういったやっかみ半分の気分が、コホコホッという、ヘンな咳のせいで、すっ飛んでいるのだから、たいしたものだ。
ただ、ヘンな咳をしながらもフランキー堺は、ラストまで元気いっぱいで、走って逃げ出しているのだから、何もかも計算づくかあ、と疑えなくもない。ただ、この疑問がなんとなくいい余韻になっているだから、すごい。
これに比べれば、石原裕次郎なんてのは、ただただカッコつけてるだけの不器用な役者に過ぎない。むしろ高杉晋作という役柄に救われているくらいだ。まあそれだけフランキー堺が光っていた、ということだろう。
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