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[コメント] 猫と庄造と二人のをんな(1956/日)

タイトルには「二人のをんな」とあるが、庄造(森繁久彌)にからむ女は先妻山田五十鈴、後妻香川京子だけでなく、その母親浪花千栄子も含めて考えた方が良いだろう。この三女優が三人とも実に良い。山田五十鈴の終始鬼のような表情も凄いし、浪花千栄子の狡猾ぶりも素晴らしいが、中でも香川京子が一番の儲け役。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 登場シーンから扱いが別格だ。箪笥の中から水着姿で飛び出してくる!香川京子のここまでの「はすっぱ」ぶりというのは他の映画でも見たことがない。この映画の前後に『山椒大夫』『近松物語』や『驟雨』があるのだから、この女優の才能は計り知れない。また、殆どのシーンで半裸といっても良い格好だし、芦屋の浜のシーンでは森繁に脚を撫でさせるし、さらには寝間で恍惚の表情まで披露してしまう!香川京子のエロティシズムだけでも忘れ去られることのない映画だろう。勿論、極めつけの優柔不断男を演じる森繁も素晴らしい。

#『夫婦善哉』では淡島千景の病弱な母親を演じた三好栄子がこの映画では山田五十鈴が女中として働いていた先の裕福な婦人を演じている。しかし、顔に大きなシミがある、っていうのがいいねぇ。

(評価:★4)

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