[コメント] シェルタリング・スカイ(1990/英)
映画に対する自分の立場を再確認した作品。
上京したての18の頃、新宿の歌舞伎町で観た。ベルトルッチなんてそれまで観たことがなかったけど淀川のおじいちゃんも褒めてるし、今日はひとつ大人の映画ってやつを観てやるぜ! なんて鼻息を荒くし、ややカッコつけ気味で劇場に入った。画は美しく音楽も美しかったが登場人物の気持ちがまったく判らず、「こいつらなにがしたいねん」と思った。スカッとしない気分のまま映画館を出るとさすが花の新宿歌舞伎町、すぐ隣の劇場の『プロジェクト・イーグル』の看板が目に入った。そうかジャッキー・チェンの新作か、そういえばまだ観てなかったなあと思いそのままハシゴ。同じく砂漠を舞台にした映画とはとても思えないほどメチャクチャ面白く、「やっぱりベルトルッチよりもジャッキーだよな!」などと、かつてどんな評論家も比較しなかった二人の映画監督を勝手に比較してうそぶいたオレ18歳。翌日になって、(もしかしてただオレがアホなために『シェルタリング・スカイ』が判らなかっただけでは…)と思ったものの、再見することもなくあれから10年以上が経過した。今、もしもう一度観てサッパリ判らなかったらさすがにオレがアホなのは明らかなので、それがおっかなくて観られない。たぶん一生観ないでしょう。だけど『シェルタリング・スカイ』はオレにとって思い出深い映画です。
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