[コメント] 男はつらいよ 寅次郎の告白(1991/日)
階段の映画。山田洋次が脚フェチであるということの証左をたちどころに5つは上げられるが、着物姿の吉田日出子が階段を上るシーンでふくらはぎを見せるカットはその最たるものだ。これは相当に違和感のあるカットである。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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というかアイ・キャッチするカットだ。こんな女性の着物姿の演出は見たことがない。(というか、私が脚フェチである証左というべきか。)しかし、このふくらはぎのカットは、すぐ後のシリーズ最高レベルの艶っぽい空気の醸成にうまく繋がっている、小さな伏線といってもいいカットなのだ。
もう一つ本作の特筆すべきは、満男の2つのこけるシーンだ。確実に寅のキャラクターの一部を継承する存在になったことを了解し感慨深い。なにせ第一作から「寅に似ている」と云われた子なのだ。勿論、渥美清の絶頂期のこけ方と比べることはできないが、前半の階段から転げて引き戸に頭をぶつけて出血する二段ギャグなんか『続・男はつらいよ』の京都の旅館のシーンで、座椅子ですべって障子でもすべって庭先に転げ落ちる寅を思い出してしまったし、後半、くだんの吉田日出子との絡みを覗き見する場面での階段落ちから池にはまるシーンも単に爆笑させるだけでない、複雑な気持ちにさせる良いシーンだ。吉岡秀隆は実によくやっていると思う。
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