[コメント] 祭りの準備(1975/日)
僕にとっては何より原田芳雄である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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思う存分悪いことをして、傍若無人に振る舞う。 主人公をいつもバカにしてからかっている。 やがて自分は警察に追われる身と成り果て、主人公は脚本家になるべく東京に行く決心をする。 実は本当に強いのは、故郷を離れ東京に独り旅立つ江藤潤であり、家に残り粋がることしかできぬ自分こそ弱い人間なのだ、それをもはやごまかせなくなったことへの折り合いをつけるため、彼は指名手配がかかっているのにかかわらず出発の駅に主人公を見送りに来る。 彼は思いのすべてをこめて、あんぱんの詰まった袋を江藤潤を餞別に渡す。 そして「バンザイ」を叫びながら動き出した列車を追いかけてホームを駆ける、駆ける、駆ける。 ホームで列車を見送る原田芳雄の目の何と悲しく切ないことよ。 「俺はこんなになっちゃったけど、お前は頑張ってくれ。俺の分も。」主人公に託す原田芳雄が、僕にはこの映画のすべてである。
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