[コメント] ミッドナイトクロス(1981/米)
最高のショット+最低のドラマ演出=デ・パルマ、とすれば、これこそはその真髄。前者はビルモス・ジグモンドのカメラによってより磨きがかかり、後者は勝手に?いい味出してるジョン・トラボルタによっても救いきれない。だから3と言っても(5+1)÷2の3。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アントニオーニ監督の『欲望』こと原題『Blowup』に対してこちらは原題『Blow Out』で何故か『ミッドナイトクロス』と、まあ、邦題のいい加減さにまでこだわった?オマージュはさすがオタクのブライアン・デ・パルマ監督です。
本家のカメラマンに対してこちらのB級専門録音技師、という設定は良いしそのプロの仕事ぶりの描写にはわくわくする。まあ結局、オリジナルの「現実とは何か?」というテーマを「失われた幻の恋人」などというレベルにまで縮小してしまうんじゃ所詮勝負にもならないんだけど。
しかし、この監督はどうも自分のショットに酔っって引っ張ってしまうのか、テンポが悪くドラマに切れが無い。音楽の使い方にもリズムとセンスが無いのは才能の問題で仕方ないのか。こういうのはもう誰か信用出来る人に全部任せるしかないのかも。
舞台を用意するためだけの不自然なプロットだけど、それを気にならなくさせるだけの勢いが演出にあれば最高の作品になったかもしれないと思う。嫌いじゃないし見所も多いだけに欲求不満も大きい映画でした。
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