[コメント] 宮本武蔵(1961/日)
冒頭から力漲る画面の連続ですぐさまこの作品が傑作であることを確信できる。矢張り「宮本武蔵」映画の決定打は本連作だろう。こゝでも坪井誠の撮影は俯瞰と仰角のコンビネーションが抜群だ。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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高低の活きるシーン、例えば武蔵が千年杉に吊されているシーン等で特にそのダイナミックな画面造型が倍加する。武蔵が姉を助けに山肌を駆け下り牢へ向かうカットのロングショットでの演出にも瞠目する。また、伊福部昭の重厚な音楽が悉くシーンを盛り上げる。伊福部昭はこの第一作のみ担当しており次作から小杉太一郎にバトンタッチするのだが、映画における音楽の重要性を痛感させる。私は本連作五部作の内この第一作が最も良いと思うのだが伊福部昭の音楽によるところも大きい。もっとも主要登場人物を紹介するだけに陥りがちな、尚且つ殺陣シーンも少ない一作目において、これだけテンションを持続させる内田吐夢の卓越した演出力があってこそだ。例えば木暮実千代演じるお甲が木村功・又八の太股に吸い付くシーンの官能性なんて心底ゾクゾクした。沢庵役の三国連太郎も飄々としていてとても良い。
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