[コメント] ゴジラ対ヘドラ(1971/日)
誰もが『ゴジラ』シリーズを完全に見放した一瞬だった。しかし根源にあるテーマは名作の第1作と同次元に位置する奥深いものがある。(あったはず)
第1作目は、ヒロシマ・ナガサキにつぐビキニ環礁での水爆実験、そして第5福竜丸の被爆など、日本人にとっての被害者としての意識が怪物ゴジラを作り出した面があり、その怪物がこともあろうに東京大空襲で一時は灰と化した東京に現れるという「被害者意識」が知ってか知らずか前面に打ち出されていた。
しかし、この作品はより恐ろしいテーマをぶつけてきていた。 我々日本人は高度成長と引き換えに「加害者」として東京を日本を壊し、汚し始めたのである。被害者から加害者への転換がみられる。 被害者として旧日本人のDNAを持つゴジラが、加害者と化した新日本人のDNAを具現化したヘドラと戦うという意味合いをこの作品の中から汲み取っていかねばならないだろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。