[コメント] ゴジラ対ヘドラ(1971/日)
『もののけ姫』が公開された折、タタリ神の怨みの描写がお偉い先生方にまで褒め称えられておりましたけれども、わたくしなんぞは「おっ、ヘドラが走っとる!」と思って見ていたものです。
日本にもいたんだ、ヒッピー……などなど、初見時は阿鼻叫喚だったことを思い出す。往年のロックが醸し出す破天荒さに何かしら“特撮”を感じずにはいられなかった自分にとって、このヘドラとプログレ・サイケのコラボレーションは、その証拠のように感じられたものだ。坂野義光、中野昭慶両監督によるルーキーコンビのユニゾンは、『用心棒』のパロディーなど、特技監督の方が時折コードをおっぱずすも、それはそれでまたサイケ。アンチテーゼを子供に語らせる卑怯はすれすれといったところだが、ぶち切れたゴジラがヘドラの体をむしりとり目ん玉くりぬいて人類をにらみつけ、最後には根性のハーモニーを産む。ネオ初代の様相を成したと言っても過言ではない。逆噴射のゴジラは悶絶ものだが、そもそもこの映画のテーマ自体が“ゴジラの逆噴射”。あっ、映画名、これでも良かったのでは?
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