[コメント] バットマン・リターンズ(1992/米)
小道具を含め、美術がいちいち面白い。よくこんなこと思いつくなあと驚く着想が数多くあるし、何より端的に撮影が美しい。一方で、アクションやカーチェイスなど意外と何でも職人的にこなしうるバートンの演出技量にも大いに感心する。
(ジャック・ニコルソンやダニー・デヴィートと比べれば)薄味俳優のマイケル・キートンがヒーロー役を演じるのは、つまり(陳腐な云い方になるが)「主役はゴッサム・シティである」ということなのだろう。傑出した美術のおかげでそのコンセプトは前作よりも成功しているし、デヴィートもミシェル・ファイファーも前作のニコルソンのようなスタンドプレーに走らず作品世界を遵守している。作品世界(=ゴッサム・シティ)自体がじゅうぶんに狂っているのだから、それでよいのだ。
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