[コメント] プライベート・ライアン(1998/米)
「二度と戦争をしないで」。これが、監督のメッセージ。
作戦が立てられ、実行されるまでには、最低でも、どの程度犠牲がでるかが計算されてのことと思う。 それを知りながら作戦を遂行した狂気と、尋常でない大量の犠牲によって、ノルマンディー上陸作戦は、かろうじて成功したと容易に理解できる。 さらに、民主主義的体裁、道義的体裁を保つために出される、輪を掛けて馬鹿げた指令が物語に挿入される...。
後にこれは、民主主義がファシズムに勝利した戦いであり、この多大な犠牲も致し方なかったのだと教えられるのだ。 嘘だ。この後、戦勝国たちは、植民地の再分割を行ったに過ぎず(現在は植民地という呼び方をしないけど)、民主主義の皮を被った先進諸国の体質は、帝国主義そのものだ。
ミラー大尉の最後のことばは、監督の願い。そして年老いた、ライアン二等兵の慟哭は、まさしく監督の悲しみそのもの。 嘘で塗り固められた民主主義大国の歴史を象徴している。
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