[コメント] ワンダフルライフ(1998/日)
静かで透明感がある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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生きてきた人生の中で一つだけ思い出を選ぶ。それは映像化され、その思い出がよみがえった瞬間、その思い出だけを抱いて、天国へ行く。死んだ人たちにあたる人々がさまざまな思い出を語る時の素な雰囲気や、選んだ思い出を映像化する作業が映画中にあらわれるというメタなみせかたをしていて、ところどころドキュメンタリー的な映画。
しおり(小田エリカ)が最初っからふてくされた小馬鹿にしたような表情ばかりなので、「なんでここにいるんだろう」と不快で仕方なかった。が、実はそれには意味があったわけで、そう考えると彼女の演技は成功していたということか。スタッフの人々の素性も、のちのち明かされることになる。
「思い出を一つだけ選ぶ」とは、パッと見、素敵で感傷的に思える事柄だけれど、よくよく考えたらどうだろう、それ以外の思い出は捨て去るしかないということでもある。だから、「僕は選べないんじゃなくて、選ばない。自分の人生に対するそういう責任の取り方もあるんじゃないか」という男の子の意見にも一理あると思った。それでも、望月が今までの経験を経て思い出を選んだということ、その理由、そしてその映像……スタッフ全員の姿があった……には泣いた。
互いに関係のある3人が選んだ思い出が、場所は同じで設定が違うというのがあった。その違いがなんとも印象的。それを選ぶまでの時間も。
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