[コメント] 裏窓(1954/米)
箱庭的シチュエーションが単純に楽しい。
もっと群像劇的なものをつい期待してしまうが、案外早い段階からワンイシューに焦点は絞られる。ジェームズ・スチュアートが動くことができないという設定を、クライマックスのサスペンス演出に最上級に生かしている。グレース・ケリーの行動を見守るしかないもどかしさと焦燥。そしてその後の緊迫と恐怖。
一方で、ミニマルな演出の集大成、みたいになってしまって、全体として映画的な興奮に溢れる、という感じにはなっていない。どうしても細部にばかり目が行ってしまって。制約的なシチュエーションだからこそ発揮された面白さ(だけしかない)といった方がぴったりくるように思う。ケリーのお着替えショーも、そういった映画としての華やかさの欠如を埋め合わせするために配されているような気も。
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