[コメント] スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス(1999/米)
最初の映画から二十数年経つと様々なものが見えてくる。このキャラクターたちの生活感の無さは何だろう?
確かにルーカス本人が撮っていることもあり、迫力は充分だ。CG技術も昔から考えれば相当な進歩があるように思える。
だが、未開の惑星にしろ都市の集合体の星にせよ、人間(べつにヒューマノイドに限った話ではない)の臭いが感じられないのは何故だろう?東南アジアやイスラム圏の都市をただ映したフィルムのほうが、ずっとファンタスティックかつ人間の営みが実感できるのだ。やはりCGの影響なのだろうか?いや、そうではないだろう。我々は毒々しいまでに汚れきった「ブレードランナー」の都市を既に観てきている。ルーカス自身が子供たちに与えたいと思っているのが、この映画に描かれたような整然とした異世界なのだろうか?それを悪いとは言わない。カオス的社会は様々な腐敗や犯罪の温床になっている。だが、そういった諸々をも抱き込んだ混乱の銀河共和国を描くのに、カオス的要素を敢えて排するのは偽善的とすら言えまいか?
あるいはこうした見方は小生の歪んだ考えの産物かも知れない。だが、その清潔さゆえに小生は『スターウォーズ』について未だにファンを名乗る気にはなれない。この『ファントムメナス』も、『ジェダイの復讐』への作り物的世界観への失望から、かなり遅れて観ることになってしまった。それゆえに新鮮さ、見応えは感じたが、そこに限界は未だに存在している。
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