[コメント] ドアーズ(1991/米)
私、恥ずかしながら大学時代にこの映画を観てドアーズの魅力(もちろん楽曲だけどね)に取り付かれた人間なんです。だから嫌いになれん。
個人的に大していい曲とは思わない「ハートに火をつけて」を作詞作曲したのは(これ結構勘違いされてる気がするんだけど)ギターのロビー・クリューガーで、既にこの頃から彼は、その才気故か、ジムとぶつかりまくっていたそうだ。しかし映画では彼の役目が大分けずられててカイル・マクラクラン演じるキーボーディストのレイ・マンザレクの影がやたら濃くなっている。マンザレクは黒人音楽好きで(ここら辺については全く触れられていない)確かにドアーズのサイコ・ブルース/R&B/ファンク・サウンドへの貢献度はかな〜り高いのだがここが賛否分かれるところその一。しかしこれは、ジム以下バンド対警察他外的圧力という構図を効果的に盛り上げるための方策ととることが出来、なんとか目をつむれる。
映画としての本作の目玉はなんといってもネイティブ・アメリカンの幻想の導入である。これはジムの死後発表された作品集「アメリカン・フライヤー」からの影響なのかどうなのか知らんがこれは巧いと思った。ロビーとの角質なんかを描くのよりはこっちのがよっぽど映画的だ。
もう一つ。ジムの恋人パムはジムのあとを追うように亡くなったそうだが、映画はこの二人を徹底的に悲劇のヒーロー&ヒロインに祭り上げようと試みる。まぁ伝記映画としちゃ当然の手段である。
で、勢い余ってかジムの不倫相手(名前失念)を魔女みたいに描いてしまったもんだから大変だ。この魔女(失礼)まだご存命なのである。そしたら(事実に一番近い)彼女としたら「事実と異なる、このクソ映画」という声を上げるのは、まぁこれも当然なわけ。俺にはこれが映画酷評の直接的原因だと思えてしかたない。
**2003・4・10・誤謬訂正 リーダー様の貴重なツッコミ激感謝!**
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