[コメント] さよなら子供たち(1987/独=仏)
子供たちは恐ろしい。彼等のけんかやいじめには些細な罰しか科されないからだ。しかし、抑制する事を知らない彼等に「狂った歴史」が「大人の社会」を教えていくのか・・・『さようなら神父さま・・』
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「さようなら子供たち・・・」
「さようなら神父さま」
「さようなら神父さま」
あいにくフランス語は解さないのだが、ものの本によると最後の神父の台詞は「さようなら子供たち」ではなく、「さようなら子供たち、また合おう」と言っているそうです。
ひとことが付け加えられるだけで随分と意味合いが変わってくる気がします。ただ、いずれにせよ収容所から生きて帰ってくる訳ではないのですね。
あまりにもオーソドックスな手法で撮られたこの作品は、あまりにも繊細すぎる映像で少年たちを淡々と映していく。ややもすると眠くなりがちな作品だが、後半に大きく動き出す。しかし、ゲシュタポが登場してからでさえ、演出は抑えられている。
皆、静かに運命を傍観するかの如く、事態を享受していく。
これが当時の被占領国の一般的なフランス人たちのごく普通の「日常」だったのだろう。本作には勇気あるレジスタンスも英雄たるアメリカ軍も登場しない。ただ単に「狩られていくユダヤ人」を見守るか積極的に密告するかの違いしかなかったのだろう。
いったいユダヤ人とは何なんだろう?
多くの日本人が本作や『シンドラーのリスト』を観て、上記の素朴な疑問を持てば現在の中東問題や米英の問題が見えてくるのでしょう。
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