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[コメント] マンハッタン(1979/米)

Why is life worth living?
ろびんますく

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「僕らはなんで生きてるんだ?これは良い質問だな。えーと、僕が思うに人生が生きるに値するのにはいくつか理由があるんだ。たとえば何かって言うと、、、そうだな、僕にとっては、、、まずはグルーチョ・マルクスがある、、、それから、えーと、、、ウィリー・メイズ、、、そして、ジュピター交響曲の第2楽章だろ、、、当然ルイ・アームストロングだな、彼の「Potato Head Blues」、、、えー、、、もちろんスウェーデン映画もだ、、、あとはフローベールの「感情教育」、、、それから、、、マーロン・ブランドー、、フランク・シナトラ、、、えーと、、、セザンヌの林檎やナシもいいよね、、、そして、サム・ウォー飯店の蟹料理、、、それから、、、、、

、、、トレイシーの顔、、、」

アレン、走る走る。

しかし、リストなんて作らなきゃこんなことにも気付かないなんて本当にダメな奴だなあ。しかも、息切らしながら「待ってくれ!」とか「行かないでくれ!」って叫ぶでもなく、この後におよんで偉そうに「で、君はまだ僕のことが好きなのかどっちなんだよ、え?」って。凄いです、君。

さらに、冷たくあしらわれるはずのそこで、ダメ男に優しく大人の対応をしてくれちゃう少女。ていうか、そんな女神のような対応を彼女にさせて、身勝手すぎる主人公(アレンね)をいとも簡単に許しちゃう脚本家兼監督(アレンね)。そして、そんなダメな主人公にまるで自分のことのように感情移入しちゃう奴ら(俺ね)。凄いです、君たち。

こんな最低なダメ野郎に「私、こないだ18歳になったの」って。ああああ、もうメロメロです。こりゃ一体何なんでしょう。アレンの妄想の産物ですか?それとも僕の妄想ですか?どっちでもいいです。妄想万歳。

ダメダメ言ってますが、男ってこんなです。

こいつらが貴女の前に現れたなら、ため息ついて、言ってあげて下さい。

‘You have to have a little faith in people.’

奴らは「うるせえよ」とか無駄口叩きながら、こっそりスウェーデン映画とマーロン・ブランドーの上に貴女を加えるでしょう。まあ、リストとか作らなきゃ気付かないような奴にはさっさと引導を渡した方が良いかもしれませんが。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)週一本 あちこ[*] chokobo[*] 代参の男[*] 天河屋[*] maoP moot tredair[*]

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