[コメント] あの子を探して(1999/中国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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学生時代、ヤマハのギターでどうしても欲しい物があった。お茶の水に中古楽器として売られていたのだが実家からの仕送金の約2倍。到底手が出ない。そこで冬休み1ヶ月間バイトした。正社員と同じ時間働き確か休みは取らなかった。そこで手にした給料全部で狙いの楽器を一括で買った。買ってきて触ったギターは実質の重さよりもずっと重かった。あの感触とあのギターの金額は自分の労働の価値観の基準となっている。
あの子供達もどの位ブロックを運んだらバス賃になりコーラが何口飲めるのか体感できたのだろう。例えそれが中国山間部の価値基準だとしてもだ。もしかしたら物の価値基準がないまま大人になった結果が中国沿岸部(都市部)の酔狂状態だと監督は暗に指しているのかもしれない(日本でいったらバブル時代の土地や美術品買い占めに当たるか?)。
又、子供達は目的の為に自発的に考え行動する。このシーンを毛沢東が見たら何と言うだろう。(指導部から命令された事以外考えない看守のおばちゃんの方が党っぽい?)
農村から都会に出ていいことなんかないぞホエクー。君もさんざんな目に遭ったろうに…。(足が抜群に速い、泳ぎが上手い、卓球の天才なら田舎者でも可なんだろうが)「都会に出たい。物がいっぱいあるから」このセリフも毛沢東が聞いたら何と言うだろう?
結果怖いくらい党批判がなされているのだがここが監督の腕の見せ所、感動的な音楽!と純粋な子供達!を使ってだまくらかす事に成功(共産党幹部の爺さん達はオイオイ泣いてるだろうよ)。ホント皮肉屋だ…。
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