[コメント] ひまわり(2000/日)
亡霊の初恋。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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名前を呼びとめる。そして振り向くその子の顔が、月に食われた日輪の光を背に暗く陰って、けれどはっきりと見える。その瞬間。
そんな瞬間が、この世界のいつか何処かで、誰かと誰かの間に現実として存在したかもしれない。それは“美しい”。誰のものでもない記憶は、そのようにしてそれを目にするわたしを感動させる。
そこだけはよい。だがその記憶に、誰かのものとしての具体を与えるはずの物語には同調できない。
亡霊の“美しい”初恋の記憶。それを紐解き、物語として胸に留め置き、そしてまた自分の日常に戻っていく生者達。結構だ。けれど、それだけか。釈然としない。彼女は生身で生きて帰って来たってよかったではないか。(そうであってもそれほど無理は生じないシナリオの流れだと思うし、むしろそうあることで、それは真に葬り去られるのではあるまいか。)一体これは誰についての物語のつもりなのか。
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