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[コメント] ボーイズ・ドント・クライ(1999/米)

ヒラリー・スワンクに4点!!
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(性同一性障害に悩む人間の姿を描いた映画だとしたうえで)

WaitDestiny様のコメントを読んで納得&安堵。その抱える問題の重要性も確かに描いていたが性同一性障害を理解しきれているとは思えずむしろ同性愛に偏見を持つ人間を描く事に専念しているように見受けられた。それもいいのだが性同一性障害に踏み込めていないし、自身の思想が見えてこないし、逃げにでたと感じた。

「監督さんそれは違うだろう。」

本当に性同一性障害を真正面から挑むのであれば、むしろ表現すべき点は性の狭間で揺れ動く葛藤をもっと入れるべきであり、遊び仲間の中に入ってそれを紛らわせていて最後にドスンと今までの素行不良に対する天罰が降り注ぐでは実際の必死に生きていたブランドンはたまったもんじゃない。「作中で葛藤は表現されていたじゃん!」とおっしゃるかもしれないが、私はそれは葛藤ではなく現実から逃げようとするが逃げられない普通の人間を表現しただけであり、性同一性障害で悩む人間を描いていないオリジナリティーのない表現としか感じなかった。

「忠実に取材をしたうえでの脚本であり事実を述べた」弁護してくるかもしれないが絶対に(語弊があるかもしれないが)性同一性障害特有の葛藤は人一倍あったはずであり、しかりと読みとって映像にして欲しかった。君もあるはずだ。明るく振る舞っていても心はズタズタだって状況が。不幸があっても笑顔で接客をしている状況が。それに性の問題が絡むと自分ならどうなる?少しわかるだろ?ブランドンがいた場所が。

でも、「このような問題があるって事を知って欲しかった」と言うかもしれないが問題を提示してそれで終わりだというのでは意味がない。間違えてはいけない作家性(自身の考え)が出てこそ映画なのであり作家性がでてない映画は映像なのだ。ロミオとジュリエット仕立てで語ろうとするようでは志が低すぎる。もっとオリジナリティーを!創造を!

(評価:★4)

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