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[コメント] 太陽がいっぱい(1960/仏=伊)

この映画を観るたびに、ジョン・レノンを思い出す。
Ribot

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1980年12月8日、凶弾に倒れたジョン・レノン。犯人はマーク・デヴィッド・チャプマンという男なのだが、ジョン・レノンの大ファンだったということをご存知だろうか?

 曖昧ではあるが、とある犯罪心理学者が次のようなことを述べていた記憶がある。「ファン熱が高じて、次第にジョン・レノンと同じ服装をし、同じメガネをかけ、同じヘア・スタイルにするようになり、しまいには自分がジョン・レノン自身であるかのような錯覚を起こすのです。しかし、本物のジョン・レノンは別にいる。すると、その本物が邪魔な存在になってくるのです。」

 まさにこの映画のトム(アラン・ドロン)そのものではないか。いじめられたり馬鹿にされたりはしていたが、トムはフィリップを憎んではいなかったはずだ。嫌いな同性の服を着て声色をまね、それを鏡で写してみるなんてことができますか? 私は服に触るのすら嫌だ。

 これはフィリップ本人に憧れ、フィリップ自身になりたかった男の話。トムが手に入れたかったものはフリップの金でも、ましてや女でもなかったと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)緑雨[*] けにろん[*] G31[*] ジェリー[*] ルッコラ[*] *

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