[コメント] A.I.(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画、見ておかなければ損という気はするんですが、2000年後のラストはやはり話が飛びすぎだと感じました;
デイビッドは母親に愛してもらいたくて奔走するけれど、彼の持っている「愛」は、インプットされた「親への愛」だけのような気がしました。(しかも母親限定になってるし;) デイビッドについて行ったテディやジゴロにはあまり気を使ってなかったような…。 彼を心配して助けていたテディや、「デイビッドを助ける」という機能拡張を起こした(fromジュードのインタビュー)ジゴロの方が、より人間的だったように思えました。
デイビッドがもう一体の自分に会って狂ったようにそれを壊した時に逃げたジゴロが、海に飛び降りたデイビッドを助けに来たところが印象に残っています。 だけどジゴロもやはりロボットで、最後の最後まで、命乞いはしない。デイビッドのおかげで窮地を逃れた時も「君のおかげで助かった」とは言ってるけど、壊される時は壊される、今は壊されなくてよかった、というくらいの思いしかないようで、「死にたくない!」という必死の思いがあるわけではなさそうでした。
ラストの「夢の生まれるところに行った」というのは、デイビッドが壊れたと言っているのか何なのか、見た直後悩みました。 ロボットは眠らないし、壊れたとしたら夢は見るはずないし……と。考えるだけ無駄?
友達はテディを贔屓にしていましたが、私はジュード扮するジゴロに魅了されました(笑) 三ヶ月ダンスの特訓とはスゴイ……しかも軽やかに踊れるようになってるし、確かに優雅。 でもテディもすごく好きです! 特に「マミー、マミー!」と言って走っていくところが(笑) 「いじめられたの?」とテディの手を掴んでぶらさげていくお母さんがナイス。
A.I.自体の感想は、感動して泣いたというより、可哀相で泣いた感じでした。 ブルーフェアリーにお願いし続けているところでデイビッドの物語を終わらせて、違う形でこの映画を締めくくっても良かったかもしれない。(と個人的に思ったり……) 「少年は2000年の時を越える。ただ一度、愛されるために」というキャッチコピーですが、蘇生したクローンの母親っていうのが、煮え切りません……。 でも、もしマーティンが帰ってこないままだったら(そしてお父さんもいない日だったら)、デイビッドはお母さんにこんな風に愛されたのかなぁ。
煮え切らないと言えば、私の中で何となく不完全燃焼している原因は、デイビッドが何らかの形で「自分はロボットである」という前提を越えてくれなかったことです。 彼が、たくさん製造された自分を見て放心状態になったシーンを見た時、私はそれを期待していました。 自分がロボットだということを受け入れ、それでも強く生きていこうとする姿勢を見たかったのかもしれません。 お願いをし続けたまま2000年経ってママに会い、初めて愛を受け取るというラストは、私にとって微妙に煮え切らないのでした。
でも、映像やラストまでの冒険がドキドキして楽しめたので一見の価値あり☆★☆友達にも見てもらいたい。 デイビッドがテディを抱えてるところや、ジゴロと仲良くなったこと(ジャンクショーでデイビッドがジゴロの手を突然掴んだけれど、ジゴロが振り払わなかったので良い人だと思ってしまった)、それから、テディがデイビッドとずっと行動を共にしようと頑張っているのが、とても可愛かったです(^-^)
'01/07/19 少し加筆…
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