[コメント] 陰陽師(2001/日)
「様式美」の欠如。
このテの作品は完璧に世界観を演出するか思いっきりチープに作るかのどちらかだと思う。半端な出来だと「ニセモノ」臭が鼻についてツライ。見せ場のバランスも悪く、野村萬斎がいなければ目もあてられない。
私がチープな特撮が好きなのは一種の「様式美」なのだと思う。そこにリアルさは求めない。もちろんハリウッドレベルの素晴らしいCGには素直に感嘆するが、いいCGは「CGでござい」と声高には叫ばないものだ。この映画のCG・特撮はハリウッドレベルにはまだ達せず、かといってチープさが「様式美」に変換されているわけでもなく、いったいどんな美意識を持って作っているのだろう?
岡野玲子の漫画化には「様式美」がある。でもこの映画にはそういう物がほとんど感じられない。キャリアからいって当然かもしれないが、一人、野村萬斎のみが「様式美」を持っており、この作品を救っている。
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