[コメント] 野性の証明(1978/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭から自衛隊の訓練を工夫もなくダラダラ見せてて凄い。こういう投げやりな映画なんだよ2時間20分あるぜオメーラ覚悟キメろよ、と言われてるみたいだ。話はデタラメかつムチャクチャで、よく判らん国家の闇の陰謀論、この時代よく見られた日本人の軍事コンプレックス、『八つ墓村』に負けじの残酷スプラッタ、地方を牛耳る巨悪、土建ヤクザ犯罪、「ひぐらしのなく頃に」の源流であろう奇怪な風土病、正義っぽいジャーナリズム、三國連太郎が舘ひろしのマウントとってパウンド連打、トラックに轢かれそうで轢かれない北林谷栄のスタント(マジで危ない)、松方 &パンツァー、ランボーより早い山狩り、超少女HIROKO、ここでもいい枠で出てる中野良子(なぜだ)、風呂敷広げるだけ広げて特攻。これもキナ臭い特攻賛美でさえなくて、映画を終わらせなきゃいかんから特攻なのだ。もう角川春樹なんだか西崎義展なんだかよく判らない。いくらなんでも盛りこみすぎなんですよ。こんなにいっぱい食えませんよ。
映画のど真ん中にポッカリあいた穴の如き虚無が監督佐藤純彌だ。何がしたいんだか全然判らない。健さんの家にやってきた戦車軍団が何の説明もなく「なかったこと」にされたあたりからが佐藤純彌の本領だ。山での逃避行は編集がデタラメで使いどころもタイミングもおかしい。だいたい『君よ憤怒の河を渉れ』というド級の底抜け映画の後に、またまた佐藤純彌の映画に出てしまう高倉健の判断がイカレすぎている。あのー健さんファンの方々には悪いんだけど、オレは健さんってスターとしての魅力は別にして、相当なアホだと思ってます。晩年は聖人化・神格化されてたけど、フィルモグラフィー見るとすげえ悪食ですよ。作品選球眼ゼロです。いい人なんでしょうけど。
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