[コメント] 息子の部屋(2001/仏=伊)
≪Fragile≫
人間は「こわれもの」。
一度こわれたものは接着剤を使ったって直らない。
意地の悪い神様や仏様は、こんなにもか弱い僕ら人間をエアパッキン(*)もせずどこにでも送りつけやがるんだ。
(*親父がエアパックをプチプチ潰す短いシーンもその暗示か。)
間違った宛先に届いてしまってもやり直しは効かない。
親父が狂ったように巻き戻したマイケル・ナイマン(*)のカセット・テープのようにはいかないのだ。
(あの曲は『ZOO』だったか?ともかく人生も腐敗も進行する他ない)
この映画は慰めだ。癒しだ。諦めに似た決意であり、未来への期待なんだ。
******追記******
親父がCDショップを訪れた時店員が最初に掴みかけたのはエリック・クラプトンのベスト盤。ここに収録されている大ヒット曲「ティアーズ・イン・ヘブン」は彼が幼い息子の死を悼んで書いた曲だが、この映画の発想ってのはここから来てる可能性が高い。
そうやって考えてみると。
あの親父って髭伸ばしてた頃のクラプトンに似てなくも無いよね。
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