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[コメント] スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(2002/米)

 思い入れが強すぎてまともな判断ができない。レビューもとっちらかってる。ただ、『スター・ウォーズ』が好きというキモチだけは伝わるだろう、きっと。
prick

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 エピソード2を見てきました。試写会が外れ、仕事で行けそうに なり舞い上がっていたら他人に奪われ、耐え難きを耐え忍び難きを 忍び、艱難辛苦は計りがたし、やっと見ることができました。

 本来なら封切られる日に見るべき作品ですね、これは。ジェダイ ルックに身を固め前日から列に加わり「まあ、ボクはジェダイ」と いう顔をして隣に立つ人に「フォースを信じるのだよ」と話しかけ たモノの隣はばっちり精神的にダークサイドな人でちょっと気まず くなってしまったりするのが楽しい大イベントなわけです。

 生憎、当日は結婚式だったんですよ。

 「今日なんて日はエピソード2初日なので式には参列できません。 それでも、まあ、お二人の幸せを祈っていることに変わりはありま せん。フォースと共にあらんことを・・・」なんて祝電を打つわけ にはいかないから、我慢するしかなかったです。翌日は終日働いて いました。「スター・ウォーズ見たい」なんて言ったら殺されそう な雰囲気だったので、まあこれも我慢するしかなかったんです。そ んなこんなで、二日目にしてやっと見に行くことができたと、そん な感じ。

 So long long ago ・・・

 遠い昔、はるか銀河系の彼方で・・・

 これだけで泣いてしまいました。本編は言わずもがな、ジェダイ がデフレ気味でも、ラブシーンが「小さな恋のメロディ」的でも、 ヨーダが悪い冗談みたいでも、ボバの親父の弱さが異常でも、 「『帝国の逆襲』のようには、上手くいかないようだ」と叩かれて も、全然いい。

 スター・ウォーズ好きっすもん。

 控え目に言っても悪と戦いたい気分ですよ、今のボクは。帝国軍 に追い詰められたいです。ボクの活躍でピンチを切り抜けたいです。 仲間と助け合いたいです。オビ・ワンに導かれたいです。マス ター・ヨーダに教えを請いたいです。ベイダー卿(exアナ・キン・ スカイウォーカー)に暗黒面の力で脅かされたいです。皇帝に電撃 喰らいたいです。ハン・ソロに軽口叩かれたいです。チューバッカ の頭を撫で「ウォー」って言われたいです。キャリー・フィッシ ャーはいささか厳しいからレイア姫はナタリー・ポートマンで。

 ボクは渋東シネマで見ました。

 隣に座った人がいささか問題ありで困りました。隣に座るはオト コ、容姿はヲタクっぽいわけです。ヘアバンドが実に印象的でした。 彼はワンシーンごとに「今のはアリだな」「今のはナシ」とかなん とかぶつぶつと声に出して寸評します。ボクは彼を念仏君と名付け ました。「ボクは彼を念仏君と名付けました」。なかなか哲学めい たセンテンスですね。念仏君、笑い方が特徴的なんですよ。ロボ× 2(C-3PO、R2-D2)の掛け合いシーンでは「アリアリアリ、クックッ クッ」と笑うんです。マスター・ヨーダが戦うシーンでは「ナシナ シ今のナシ、クックックッ」と笑うんです。それが延々二時間半続 くわけですから、なるほど、ボクは軽い鬱でした。

 ジャパニーズシネマは良くも悪くもお行儀が良いです。「So lo- ng long ago ・・・」で拍手しようとしたのですが、「パチ」っと 一回手を叩いたら、念仏君が「クックックッ」と笑い、前の席のオ ネーサンが振り向いたので、それ以上の拍手はボクには無理でした。 もっとフィーバーして見る映画なのに、残念です。絶対楽しくない よ、そんなの。

 スター・ウォーズ最高っす。

 きっとこれはルーカスが子どもの頃に見た夢なんです。なんかす っごい力を武器に悪をやっつけヒーローになりたいなあと、そんな ことを彼は思っていたんです。田舎星タトゥーインでボーっと暮ら すルーク・スカイウォーカーは若かりしジョージ・ルーカス。「じ ゃあ俺はマフィア映画を作るから」とコッポラと袂を分けた後、彼 は考えた。「じゃあ俺は子どもの頃の夢を映画にするか」。それが “スター・ウォーズ”だと、ボクは勝手に思っているわけです。

 ボク達は少年時代、恥ずかし気もなくヒーローに憧れます。中に はいささかマニアックな少年時代もあるから、「勇気こそ救いな り」とゲーテを引用するようなスタイルのヒーローに憧れる人も、 「正義とは何か」を追求し「理想国家の在り方とは」と間違った方 向に進んでしまうプラトン的ヒーローに憧れる人も、「第六感は誰 にでもある、即ち、私達はすべからくフォースを持つ」とユング的 解釈をぶちまけるヒーローに憧れる人もいるかもしれません、が、 凡庸な少年はおそらく凡庸なヒーローに憧れるはずです。

 ルークは凡庸な少年で、スター・ウォーズは凡庸な夢。だからこ そ、ボクたちは胸を熱くして、“泣いて笑ってドキドキワクワク感 動”して「ああ、面白かったあ!」と言ってしまう。

 まあ、そんなことを思う文月の夕。

 理力と共にあらんことを・・・。

(評価:★5)

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