[コメント] I am Sam アイ・アム・サム(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
サム本人も障害者仲間も、金持ち弁護士とそのクライアントもその子供も、スターバックスの店員もお客も、ルーシーも学校の友達も里親も、全員が全員ありがちな描かれ方でしか描かれていない。誰もがそれなりに「意外な一面」を持っていることをこれ見よがしに見せつけられてもそれがどうした、としか思えない。
主役級のショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニングの3人はそれぞれ迫真というか、『見事な演技』をしているという印象は持った。
だがしかし、彼らの演技が見事であればあるほど、これが演出された世界の中での出来事に過ぎないということが強く意識されてしまう。
知的・身的障害をダシに感動を呼ぼうというアイディアは、そうそう安易に実行に移されてはたまらない。病気だってそうだよ。そう考えると、『フィラデルフィア』(1993年)、『フォレスト・ガンプ』(1994年)両方で主演した某トム・ハンクスは大したタマであると考えざるを得ない。
私はこういう作品を観る度に、どういうリアクションを取ればいいのか困り果ててしまう。「障害者も苦労しながらも幸せをつかもうとしてるんだなあ〜」とイノセントに感動すればよいのか。現実社会で実際にこういう事態に直面している人たちにとっては、それで済まされる問題ではあるまい。
では、そもそもどうしようもないではないか、これは映画なんだから映画として楽しめばそれでいいんだよ、という割りきりが必要なのだろうか。でも、本当にそうやって割り切って楽しむことが出来ますか???
(2002.7.21)
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