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[コメント] サイン(2002/米)

とりあえず、トウモロコシ畑には近づかないぞ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 も〜〜〜〜っ、怖いのなんのって!!!告白しますと、わたし幽霊やら心霊現象やら妖怪?やらは怖くありません。いても構いません。でも、宇宙人だけは、やめて下さい(笑わないで・・)。ウチでも”ベビーモニター”をいつも使ってるんですけど、使うのが嫌になりました。妙な雑音が入ったらどうしよう(涙)。

 さて、最初のオープニングタイトルあたりから「なんだかヒッチコックっぽいぞ」と思いましたが、全体を見てもヒッチコックっぽい恐怖の描き方を感じました。ヒッチコックっぽいと言うよりも、ヒッチコックを意識した、と言った方が適切ですが。 姿を見せない相手に対する恐怖や、間接的に見せる恐怖。その中でも特に巧いと思ったのはラスト近くの「消えてるTVに写った宇宙人」。写った瞬間背筋が凍りましたね、もう。 直接宇宙人を映されるよりも数倍怖い!ヒィーーー怖いよ〜〜〜〜〜〜(泣きそう)。 後は小道具の風鈴が鳴って彼らが来たのが分かるとか、トウモロコシ畑でザワザワと葉が擦れ合う音とか、音による恐怖もなかなか巧かったですね。トウモロコシ畑のような畑って、何も無いと分かっていても昔からなんとなく怖いと感じていて入るのが嫌です。田舎の人なら分かるハズ・・。そういう怖さも上手く利用しているなあと感心しました。  極めつけはこれ、「ブラジルから送られた誕生パーティーの映像」。ヒィーーー怖いよ〜〜〜〜〜〜(もう泣いてやる)。

 「神に祈るなんて無駄だ」「誰も見守ってなんかいない。人は独りで生きてるんだ」「また俺から家族を奪うのか、神なんて嫌いだ」 神父だったグラハムは、妻を交通事故で亡くしてから信仰を失い、神父を辞めていました。家族を病気や事故で失った時にきっと誰もが感じるのは、「何故自分の家族がこんな目に?」という怒りと悲しみ。そして信心深い人は、自分の家族と自分を辛い目に遭わせた神に対して信仰を失うかもしれない。神に問い掛けても応えはないし、それには理由なんて無いことは本当は分かっているのだけれど・・。

 息子が助かったクライマックスシーン、娘に「誰かに助けられたの?」と訊かれたグラハムが、感極まって泣きながら「誰かに助けられたんだ」と答えるシーンにとても感動しました。妻の最期の言葉「See」「Swing away」が、彼の家族を助けてくれたと分かった事に・・。それは正に奇跡で、「サイン」だったから。妻が助けてくれたのだから。

 わたしは正直言って「サイン」を信じていません。ほんとつまらない人なのです。グラハムが言う、二種類の人間<神のサインや奇跡、そして運命を信じる人>と<全ては偶然であり人は独りで生きていると信じる人> の後者ですね、わたしは。だから「奇跡」と思えるような事も、単なる偶然だと思っています。「奇跡的な偶然」はあっても、「神の思し召し(サイン)」は信じていないんです。(ホントはね、宇宙人だって信じてないんですけどね。)  だからと言って、奇跡やサインを信じる事が下らないだとか、馬鹿らしいとは思いません。むしろ羨ましいのです。何故なら、信じるということに「愛」を強く感じるから。クライマックスシーンは愛に溢れていて、とても感動しました。

 はて?宇宙人と繋げる必要があったのだろうか?とか、宇宙人を出さなくとも描けるテーマではないか?とも考えましたが、やっぱり「ミステリーサークル」のサイン繋がりで、必要だったなと思いました。ミステリーサークルは神の思し召し」的な暗示も含んでいるのでしょう。それになんと言っても「恐怖」はこの映画の肝心な部分なのですものね。

 UFO作っちゃう宇宙人なんだから、水から守るスーツとか着ていないのかしらん?なんてことも思っちゃったりしましたが、それもどーでもいいや、って思えるくらいわたしのハートにヒットしたので5点。『シックス・センス』も『アンブレイカブル』も、わたしの肌には合わなかったけれど、この映画は本当に素晴らしいと思います。

あーー、ホント怖かった。

(評価:★5)

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