[コメント] ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001/米)
サリンジャーの時代からあまり変わらぬ悩めるアメリカの中産階級の家族像。しかし致命的なことに、くだらないものにこそ注ぎ込むべき熱き血潮が欠落している。
『アメリ』風におしゃれで、はたまたローキー。素敵じゃないですか。
しかし、あまりといえばあまりにも、ビビっとくるものがなさすぎ。
狙いはすごくよくわかるのだけれど、その狙いの根拠が「スキスキ大好き」でやってるんじゃなく、あくまでも借りものなのだ。
つくりたいからつくるのではなく、そう見られたいからつくる、というスタンス。ものつくりにあらざるスタンス。
たとえば戸川純は 90 年代のヒロイン。登場すべくして登場した玉姫様。だけど、彼女のスタイルだけを真似した「不思議少女」群にはみなさん辟易したはず。
同様に、サリンジャーだの、アーヴィングだのを熱読した者はこの映画に熱くなれないのではないか。
おシャレさんスタイルに致命的エラーの警告。
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