[コメント] まぼろし(2001/仏)
「愛の映画」であり、同時に「愛の不毛の映画」でもあるアンビバレントな作品。ランプリングの顔・肢体を執拗に映し続けるオゾンの確信犯的まざなし。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分にとって夫がどれほど大きな存在であったかを知ることになるという点では「愛の映画」であり、自分が信じていた愛が独り善がりのものであったことを知らされるという点では「愛の不毛の映画」である。彼女が夫の死を認めることができないのは、長年の自分自身の存在を否定することに耐え得なかったからである。
この愛が生み出したものが、腐乱水死体と神経症的な初老女だけであったことを認めるのは、観ている私たちにでさえ困難である。
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