原点／出発点としての、アメリカ40年代。ボギー＆バコール、ホークス、ワイルダー、ヒッチコック。というのは、これまでのウディ・アレンの映画にもさんざん現れていたことだけど、今回はそれが単なるパロディ／オマージュ／ノスタルジーではなく、とうとうその要素が映画の血となり肉となって、ウディ・アレンの映画そのものとして現れたことに、おめでとう！という気分でいっぱいです。しかもそこにはしっかりこの現代社会への態度が、かつての皮肉っぽいやり方ではなくて、完璧に喜劇的なものとして、見事な脚本と、キャスティングと、彼らの演技によってもたらされたのだから、これはもうウディ・アレンの新たな一つの到達点だとして褒め称えるべき作品であると思います。