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[コメント] 機動戦士ガンダム(1981/日)

「もう怖いのヤなんだよ!」
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







肉体的にも精神的にも痛い目にあうのは、しかも自ら望んだわけでもないのに争いに巻き込まれ戦い続けなければならないのは、そりゃー誰だって怖いものさ。

その恐怖をやすやすと乗り越えるどころか「怖いのはイヤだから」と逃避に向かう主人公。未だ年端もいかぬ(どう見てもインドア派で内向的だったセンシティブな)少年がそう思ったところで、そんなことは当然ではないか。

それなのに、そんな当然の感覚を失った(あるいは最初からナイものとして話が展開してゆく)物語は、未だになんと多いことだろう。そして私はそういった物語に、いかに慣れきっていることだろう。

アムロの容易には<戦士>になりきれない面がクローズアップされればされるほど、迷いが表出すればするほど、前のめりな感覚でどんどん物語に引き込まれてゆく。

そしてさんざん「戦士として生きてゆくということは人を殺め続けてゆくということなんだ」ということを自覚した後のラストに、その選択に、アムロの悲壮な決意(あるいはブッ壊れぶり)を見て胸がしめつけられる。

「虫も殺せない子だったのに…」

それが戦争というものなのね(悲しいけど)、と。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)新町 華終 Pino☆[*] ごう[*] ゼロゼロUFO[*] らーふる当番[*] シーチキン[*] スパルタのキツネ よだか 緑雨[*]

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