[コメント] ぼくの伯父さん(1958/仏=伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ロッキング・オンから出ている“SIGHT”VOL.25という雑誌で「究極の映画100本!!」という特集を組んでいました。そこでアキ・カウリスマキが選ぶ10本に『ぼくの伯父さん』が入っていたのです。最初から見直してみるとキャメラを殆ど動かさない手法などカウリスマキはジャック・タチから、かなり影響を受けているようです。最初にスタッフの名前が工事現場の看板に出てきてラクガキで“Mon Oncle”って出て来ますよね。あのワザとらしくないさりげなさが良いですね。犬が5匹ぐらい走ってくる。キャメラは犬を追いかけそうなんだけど追いかけません。フレームの中にキチンと収めながらカットを割っていく。あのシークエンスの呼吸はカウリスマキに通じる心地よさだと思います。カウリスマキがネガならタチがポジといったところでしょうか。
アラン・ロマンとフランク・バルセリーニの軽快な音楽も映画に貢献してます。これほど映画に貢献している音楽も珍しいですね。その証拠となるのがユロ氏のために開かれたパーティーの場面。あそこが退屈なのは音楽が無いからだと思います。この映画の好きな人はサントラのCD持っている人が多いと思います。退屈した人はあのシークエンスから脱落した人でしょう。大人ばかりだからかも知れません。子供と絡むとユロ氏は楽しいです。野原でベニエという砂糖とジャムをまぶした揚げパンを食べながら子供達が小銭を賭けている。口笛を鳴らして通行人が電柱にぶつかるかぶつからないか。あの場面好きだなぁ。ベニエという揚げパンも食べてみたい。(もちろんあの野原で!)小ネタの寄せ集めなので、ストーリーは殆どあって無きに等しい映画ですが大好きな作品です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。