登場人物の大半が実に胸糞悪い連中ばかりで辟易。主役の高校生二人は何か起こるたびにギャーギャーとわめき散らしては愚痴をクドクド、八つ当たりにいがみ合い。妻夫木聡とＳＡＹＡＫＡ、共に目をつぶりたくなるような芝居。トンネルの時間は長いものの、山田孝之がひでぇ悪趣味なメイクするほどの狂気に陥ってしまう過程がサッパリ描けてないような気がする。そしてトンネルを出てからも、現れる人間がほとんど狂ったヤツらばかりで話にならない。あの二人組みの自衛官も訳がわからない。藤木直人は薄ら笑い浮かべて得意げに武器を振り回すだけだし（情けない死体姿のみ良い）、近藤芳正の超過剰演技にイライラ・・・

結局、主人公達の前に狂人どもが現れては死んでゆくと言う調子が終盤まで延々と続くだけ。ダルい。火山が爆発して街に火の玉が降り注ぎ始めた辺りで、ようやく見せ場らしい見せ場がやってくるけど、すでにストレスが火山灰のごとく積もり積もっとるわい。絶望なのはビジュアルだけで、中身がカラッポなもんだから「じぇったい生き抜いてやる」なんて言われても白けるのは当然。役者も相当だけど、監督飯田譲治の全編にわたる御粗末な演出ぶりに、すべての責任を押し付けてやりたいくらい。

なにか起これば「磁場」のせい、誰かが死んでも「磁場」のせい。

監督、この映画の失敗も「磁場」のせい？