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[コメント] 悪魔のいけにえ(1974/米)

ホラー映画に魅力的な闇は欠かせないが、これはさしずめ魅力的な曇り空がある。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







闇は視覚が利かないのだから怖いのは当然だが、この映画は冒頭からの真昼間のシーンが不気味である。たいていホラーは闇が訪れた時に本当の恐怖が始まるが、この映画では最初っからイヤーな雰囲気充満で、怖いもの見たさの期待と不安で満たされる。

ホラーの定石を守っているようで予測を超えるシーンもあり、全く油断は出来ない。特にレザーフェイスの登場は唐突だが、それ以上に彼が旅行者を襲った後になる顔のアップ。普通殺人鬼は存在が曖昧だからこそ不安感をかきたてられるものだが、そこのアップではあたかも彼のどうにもならない苦悩を描いているようで、結局特に意味はなかったことが分かる。

レザーフェイスという殺人鬼に頼ってもよかったのだが、あえて変態身内を起用したことで幅を広げた。それは怖さとは違ったところへ行ってしまった感もあるが。 つまり魅力的な殺人鬼がいながらのそれだけの魅力に頼らなかった。

映画は翌日の早朝を持って完結する。また不気味な昼が来ることを暗示して。僕は『八墓村』等の横溝物で日本の田舎は怖いと植え付けられたが、これでアメリカの田舎も怖くなった。

映画が終わっても、怖さのあと引く映画。

(評価:★4)

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