[コメント] 鴛鴦歌合戦(1939/日)
楽曲はもちろん、舞台装置もまたミュージカルの命。なんと日傘という小道具ひとつで楽曲と対峙する大胆かつ巧妙さ。冒頭、服部富子の水玉模様の日傘(番傘!)に唖然とし、続く庭一面に広がった奇抜な図柄の傘群(まるで花畑だ)のファンタジーに圧倒される。
この大胆な美術に触発されて、愛らしい服部や市川春代 、深水藤子の着物や、雲間から顔を出す空にまで色を感じてしまうのだ。昭和14年、日中戦争の只中という無彩色の世の中に、歌と愛嬌、そして見えないはずの色彩を発散する夢み心地のファンタジー。
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