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[コメント] スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)

いや良かった。期待裏切ってくれて良かった。エピソード1、2があまりにヒドすぎてどんな事になるかと思えば、初めて面白かったよ。終わりよければ……か?しかし……
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかし、このエピソードシリーズには致命的に全体に渡って面白くないところがあるんです。それはとても単純な事なんですけど。

前回のエピソード2のコメントで皮肉のつもりで「アナキンの顔は暗黒面にいきそうで説得力十分でよし」なんて事を書いたんですが、皮肉抜きで言うと、アナキン……というかヘイデンの顔つきは、最初から傲慢さとか不純とかが丸出し状態で、エピソード2から既に振りかぶってるんですよね。「オレ、暗黒面に行くぜ!」みたいな。

それって、面白くないんですよ。いや、最終的にベイダー卿になっちゃう事は、スターウォーズをよく知らない人でさえ知っている事実ではあるんですが、その中にも意外性が欲しいと、私は思ってしまうんですよね。それこそ、ルークみたいな純朴な子が暗黒面にいったりすれば、単純にスゴイ劇的な気がするですよ。「えー!この子が!?」みたいな。

それはないにしても、アナキンって案外成長がないんですよね。彼は子供の頃から傲慢な子で、それは子供特有のものではなく、結局大きくなっても傲慢なのは変わらないし、「ああ、こういう性格なのね」って感じで、単純に“心の成長”の過程が大きく欠落しているような気がしてならないんですよ。ここが、もうちょっとあれば(成長しすぎるとまた駄目なんですが)、絶対もっと説得力が生まれたと思うんですよね、ファン以外の人が納得するだけの。

そして更に畳み掛けるように、アナキンがシスに従おうと思った瞬間が非常に甘い!メイス殺されてショック受けてるように見えたのに、すぐに仕えちゃうの!?みたいな。ルーカスはアクション抜きでの、いざという瞬間の心の動きの表現が下手くそみたいですね、前回の陳腐な(パドメ曰く)“愛の日々”しかり。ただでさえ、ヘイデンの顔にジェダイとしての説得力ないのに、そこアンタが上手い事処理せんとアカンだろ……とね。ただ、寝返ってからのヘイデンは非常に良かったですが。やっと“持ち場に就いたぞ!”って感じで(笑)。

ただ、アナキンに対しては、あまりの自業自得さに何一つとして同情も、慈悲も湧きませんでしたが、オビ=ワンに関しては素直に心が動きました。あんなにいやらしい笑みのアナキンを最後まで信じ、愛していたのに、裏切られたんですから。そりゃ可哀想ですよ。彼は苦労人ですね……。

そして、やはり往年の名作であるエピソード4〜6に完璧に伏線を張った事には拍手ですよ。最後、タトゥイーンのルークの家が出てきた時は、感動しましたねー!まんまと、もう一回見たくなりましたよエピソード4〜6。ルーカスもやりきったんじゃないですかね。いや、欲を言うなら6以降も見たい気もしますが……。もうCGはお腹イッパイっす。

今回は、なかなか最終作として満足できる出来になっていたので良かったです。迫力もありましたし、見せ場もしっかりありましたしね。納得できないところはありましたが。しかし、エピソード1〜3に、あのメインテーマはちょっと合いませんでしたね。アレはスターウォーズサーガのテーマ曲と言うよりかは、4〜6のあどけない青い瞳をした農耕少年が、仲間の力を借りてジェダイになりゆく華々しいテーマ曲であるような気がします。ラストのクレジットに流れるテーマもしかり。

まぁ、何にせよ。これで偉大な伝説は幕を閉じました。あなたは自分の力で、後のエピソードに立派に繋げたのです。だから、DVDで以前の歴史を改ざんするような真似はしないでいいんですよ。あの時代だからこそ、あんな素晴らしい映画を作れたんですから。ね、ルーカスさん。(あぁ、やはり皮肉で終わってしまった……申し訳ない)

(評価:★4)

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