こんなに、見たその年齢によって感じ方が違う映画も珍しいと思う。

１４歳くらいの時コレを初めて見た時は、とにかくシビれた。 大人の世界を垣間見た気がした。そして、自分もマイケルの様にかっこよくなりたいと思った。そして、見た後は肩で風を切って歩くマネをしたくなりました。

２０歳くらいの時見た時は、もうカッコイイとは思わなかった。 マイケルの底の知れない冷静な暗闇に少しひいた。殺さないと言っておきながら、すぐその後、車に乗り込ませた瞬間に殺させる、シーンには恐怖というよりも、イヤな感じがしました。

さて、今２０半ばくらいで見た感想は、この映画に数限り無く出てくる「人の死の多様性」に鮮烈さを感じた。 ソニーの死には人の欲望を、 マイケルの妻アポロニアの死には突然にして表れる死の衝撃を、 ヴィトの死にはどこか慈愛の様な慈しみを、 最後の集団粛清のシーンには殺戮と、その死屍累々の上に成り立つ生命の血生臭さを、 そして、最後の義弟の殺しのシーンには暴力の絶対性を感じました。

と、これだけ年齢によって感じ入り方の違う映画も珍しいなぁ。 やはり歴史的傑作なのでしょう。