エンターテインメントに徹してはいるんだが、映像の配分が実に決まっており、だれるところがまったくない。演出が優れているからだろう。

大体、主人公がワルというのがいい。ディカプリオはひげ面でなかなか演技的に切れている。前作「ディパーテッド」もよかったけれど、本作は格段いいなあ。でも、ディカプリオはひょっとしたらよく見ると変な顔なんだね。決してハンサムじゃない。それでいて背も高いし、にじみ出るっていうか、内面の良さが顔に出てきているような気がする。成長でしょうか、、。

筋としても、三人三様の思い入れが分かりやすいし、単純だからこそ社会的背景の暗黒がクローズアップされる仕掛けとなっている。「ホテルルワンダ」と違い、変な偽善さがあまり見えないので、僕としては「ＴＨＩＳ　ＩＳ　ＡＦＲＩＫＡ］ものとしては断然こちらを買う。秀作だ。